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理学療法士は仕事にAIをどう活かす?おすすめの AI活用術を紹介!

「最近たくさんのAIが登場してるけど、どうやってAIを活用したらいいのかわからない」
「PTの現場でのAIの活用方法をしりたいな」

このような悩みを抱えていませんか?

ここ数年でたくさんのAIが登場しており、正直どのAIがどんな場面で優れているのかといった特徴を抑える事も難しいですよね。

この記事では、AIをどのように活用すれば効率的に業務を進められるのか、具体例を用いてご紹介していきます。

AIは日々進化しており、AIを活用できる人と、そうでない人の間にはこれから先どんどん差ができてしまいます。

理学療法士こそ、AIを活用して仕事効率を高めることができる職種です。
AIを活用して、あなたの仕事のパフォーマンスを上げていきましょう。

医療現場でのAI活用は進んでいる?

医療現場でのAIの活用は年々進んでおり、画像診断、カルテ解析、レセプト作成など、様々な場面で導入が進んでいます。これにより医療現場の効率化が図られ、医療従事者の負担軽減に貢献しています。

画像診断の分野では、癌や脳出血などの異常所見を早期に発見するためのサポートや、蓄積された過去データを基に疑われる病気を優先的に提示する機能が実用化されています。

その結果、診断にかかる時間が短縮され、重要な判断が求められる場面でも医療従事者の負担を軽減してくれるのです。

 

しかし、医療現場でもAIの導入が全く進んでいない現場が多いことも事実です。特に介護やリハビリの現場では、患者さんと直接コミュニケーションをとり、患者さんを直接介助するため、どうしてもAIでは代替できない場面が多くあります。

この領域でAI導入が困難な理由として、以下の点が挙げられます。

患者さんの微妙な表情や感情の変化を読み取る必要がある
身体的な介助には人の手が不可欠である
信頼関係の構築が治療効果に直接影響する

これらの要素は人間ならではの強みであり、AIによる完全な代替は現実的ではありません

しかし、理学療法士などのサポートツールとしては、AIは大きな変革をもたらす可能性を持っています。

今後期待される活用方法として、以下のようなものが考えられます。

期待される活用方法の一例

記録業務の効率化
カルテへの記録や計画書の作成の時間の短縮により、医療従事者が患者さんと向き合う時間を増やすことができます。

プログラム提案
患者さんの状態に応じた最適なリハビリメニューをAIが提案することで、個別化された治療の提供をサポートします。

動作解析
患者さんの動きをAIで分析し、問題点を客観的に評価することができます。これにより、より効果的な治療プログラムの立案が可能になります。

AIの活用例

具体的にどのような場面でAIを用いると効率機に仕事を行えるのかご紹介していきます。

リハビリ計画書の作成

患者さんの目標設定や進捗状況の説明に必要な計画書の作成です。患者さんやご家族さんが治療の方向性を理解する上でも重要な書類ですが、作成に時間がかかるためAIを活用して効率化させましょう。

活用方法
長期目標・短期目標を複数パターン提案してもらい、
患者さんに最適なものを選択
ICF(国際生活機能分類)の項目記載を補助してもらい全体像の把握
前回の計画書をベースに、進捗に応じた更新版を効率的に作成
メリット
記載漏れの防止、表現の標準化、作成時間の短縮

文章の内容・表現の確認

カルテなどの記録に残す文章であるため、表現方法や誤字脱字に十分気をつける必要があります。

活用方法
カルテ記録やサマリーの誤字脱字チェック
専門用語が多すぎる文章を患者・家族・他職種向けに平易な表現へ変換
敬語や丁寧語の使い分けが適切かダブルチェック
メリット
コミュニケーションエラーの削減、患者説明の質向上、文書の専門性維持

治療方針の大枠の確認

患者さんの治療の方針を決定していく上で、悩む事もあるかと思います。間違った方向へ進むことがないようにAIを通して方向性を確認することができます。

活用方法
疾患別のエビデンスに基づく標準的なアプローチを確認
類似症例の治療方針例を参照し、見落としがないか検証
複数の合併症がある場合の優先順位付けについてディスカッション
新人セラピストが上級者の視点を学ぶための教育ツールとして活用
メリット
治療の標準化、経験不足の補完、安全性の向上

治療プログラムの作成

治療プログラムの内容や頻度、回数、体調がすぐれない時のメニューなどを患者さんごとに作成してくれます。

活用方法
患者の身体機能レベルや目標に応じた運動メニューの提案
段階的な負荷調整プランの設計(例:週ごとの進行表)
ホームエクササイズプログラムの作成と説明資料の生成
認知機能訓練や作業療法の活動案のアイデア出し
メリット
プログラムのバリエーション拡大、個別性の高い訓練提供、マンネリ化防止

文献等の情報検索

ネット上に無数にちらばる文献を集めて、内容を確認していくには多くの時間を要します。調べたい大枠の内容をAIに入力することで、読みたい文献をPick Upしてくれます。

活用方法
最新のガイドラインや研究動向の要約を取得
特定の疾患や治療法に関する文献の検索キーワード提案
英語論文の要点翻訳と理解の補助
エビデンスレベルの確認や研究デザインの理解支援
メリット
情報収集時間の短縮、最新知見へのアクセス向上、EBP(根拠に基づく実践)の推進

図解・イラストの作成

手作業で作成すると時間がかかってしまう図解やイラストですが、AIに任せることでより効率を上げることができます。作成後に編集を加えられるAIがおすすめです。

活用方法
解剖図や運動方向を示す説明図の生成
ホームエクササイズ用のイラスト付き資料作成
疾患の病態説明図を患者教育用に簡略化
データのグラフ化(ROM推移、歩行速度の変化など)
メリット
視覚的説明による理解促進、患者教育資料の質向上、作成時間の大幅削減

プレゼン資料作成

多くの人の目に入る勉強会や学会で発表するための資料などの作成の補助をしてくれます。なかなか進まない作業でもAIに補助してもらい効率的に進めていきましょう。

活用方法
学会発表や院内勉強会のスライド構成案作成
症例報告の論理展開やストーリー構成の相談
スライドデザインのレイアウト提案
発表原稿の推敲と時間配分の調整
メリット
資料作成時間の削減、論理的で分かりやすいプレゼン、発表の質向上

AIの活用においての注意点

便利なAIですが、使用する上での注意点を知っておかなければ、間違った使い方をしてしまい、事故の原因となってしまう可能性もあります。

個人情報の取り扱いに十分注意する

患者の特定可能な情報は絶対に入力しないようにしましょう。

氏名、生年月日、住所、珍しい疾患と年齢・性別の組み合わせなどの、個人を得的できるような内容の入力は控えましょう。

例えば「80代男性、被殻出血」など、一般化した表現に置き換えることで、個人情報を保護します。

誤った情報が含まれる可能性を理解しておく

AIは膨大なデータから学習していますが、必ずしも最新のエビデンスや正確な医学情報を提供するとは限りません。特に、AIが生成する情報には「ハルシネーション」と呼ばれる、もっともらしいが事実と異なる内容が含まれることがあります。

そのため、AIの出力を鵜呑みにせず、必ず信頼できる文献やガイドライン、専門書などで裏付けを取ることが必須です。また、患者の評価や治療方針の決定においては、AIの情報を参考にしつつも、理学療法士としての専門知識と臨床経験、患者の個別性を総合的に判断することが求められます。

あくまでも補助的なツールとして使用する

AIはとても優秀なツールとなり得ますが、AIの提案を全て鵜呑みにすることは大変危険です。患者さんによって併存疾患や生活環境、価値観などは大きく異なります。

AIでは読み取りきれない情報まで加味した上で、臨床経験や専門知識を用いて妥当性を検証しましょう。

AIはとても優秀なツールになり得ますが多用しすぎることで、自分自身で考えることを放棄してしまわないように注意しましょう。最終的に判断を下すのはセラピストであるあなたです。

賢くAIを活用しよう

AIは「考える道具」であって「考えてくれる道具」ではないという認識が重要です。

使うべき場面: 情報整理、アイデア出し、効率化、学習支援
使うべきでない場面: 最終判断、個人情報を含む作業、検証なしの臨床適用

リハビリ職の本質的価値である「患者を多角的に捉える視点」「その人らしさを支援する創造性」「信頼関係に基づくケア」は、AIでは代替できません
AIをうまく活用しながら、人間にしかできない専門性を発揮していくことが、これからのリハビリ職に求められます。

これらのAI活用により、リハビリ職は事務作業時間を削減し、患者さんとの直接的な関わりに集中できるようになります。
ただし、AIはあくまで補助ツールであり、最終的な判断や責任は必ず専門職が担う必要があります。

臨床推論や患者との信頼関係構築など、人間にしかできない専門性をAIで補強する、という視点が重要です。