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【理学療法士の給料は低い?】 年収を上げる4つの方法を解説!

 

Aちゃん
Aちゃん
理学療法士の年収ってなかなか上がらないよね
Bくん
Bくん
頑張って勉強会に参加して治療技術をあげても、給料は上がらないよ〜

 

このような話題を耳にした事はないでしょうか?

この記事では、理学療法士の年収事情について解説します。
この記事を読むことで、理学療法士の給与形態、他職種との比較
年収が上がりにくい要因、それでも年収を上げる方法を理解することができるでしょう。

年収のことで悩んでいる理学療法士さんはぜひ読んでみてください。

理学療法士がもたらす売上(診療報酬)について

まずは理学療法士が生み出す「売上」とは、主に診療報酬として医療機関に支払われる金額のことです。

これを式に表してみると以下のようになります。

(基本的な診療報酬の点数×実施した診療単位数+各加算=理学療法士が生み出す売上

 

コア郎
コア郎
ここでの売上は医療機関の収入に関する金額であり、理学療法士個人の「給料」とは異なります。

診療報酬の点数(種類や施設基準)、理学療法士が取得する診療単位数、加算の種類は勤務する医療機関によっても異なります。

【具体的な売上計算例】
算定する診療報酬の種類と点数
脳血管疾患等リハビリテーション料Ⅰ(1単位)245点

週に取得する単位数の上限:108単位/週

加算:リハビリテーション総合計画評価料1 300点

これらを1ヶ月(4週間)で算定していった場合は以下のようになります。

1:診療報酬の点数
脳リハⅠ245点×108単位×4週=105,840点

2:リハビリテーション総合計画評価料(加算)
300点×5人=1,500点
※リハビリテーション総合計画評価料を月に5人に算定したとします。

3:合計点数
105,840+1,500=107,340点

4:金額換算
107,340点×10円=1,073,400円

つまり、このケースでは1人の理学療法士が生み出す売上は月に107万円ほどとなります。

この計算例からもわかるように、理学療法士が医療機関に生み出せる売上には、「診療報酬の単価」「実施可能な診療報酬の単位数」「算定できる加算の種類と頻度」が影響してきます。
それぞれに、上限が設定されているため、その天井は決して高くありません。1人の理学療法士が上げられる売上はおおむね決まってきます。

診療報酬の点数は、理学療法士の経験年数や治療内容によって変化する事はありません。
20年以上のベテランセラピストであっても、経験値・技術力が高いからといって直接的に診療報酬の増額につながるわけではありません

理学療法士の給料事情


理学療法士は将来どのくらいの年収に達するのか、他職種と比較してどの水準にあるのか見ていきましょう。

他職種との比較

まずは医療現場で働く他職種と比較していきましょう。

働く地域、働く施設によっても変わってきますが平均すると以下のとおりです。

職種 年収
薬剤師 583.4万円
臨床検査技師 508.9万円
看護師 508.1万円
理学療法士 430.7万円
看護助手 309.9万円

参考:賃金構造基本統計調査 令和4年賃金構造基本統計調査
※理学療法士には作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士も含まれています。

他職種と比較してそれほど高くない傾向にあることがわかります。

これは職種ごとに役割や責任の範囲、専門性の質、労働時間と勤務形態が異なることが大きく影響しています。

例えば、看護師は夜勤や緊急手当が加算され、薬剤師や臨床検査技師も、その高度な専門性と責任の重さに見合った給与水準です。

一方、理学療法士は患者さんの機能回復支援が主な役割で、夜勤やオンコールの対応がすくない職務形態です。この勤務形態の特性上、手当などがつきづらく給与差が出ている一因となっています。

しかし、これは理学療法士の仕事の価値が低いというわけではありません。生活の質の向上に対するアプローチはこれからの高齢社会でとても重要な役割を持ちます。また、夜勤や緊急対応が少ない働き方はワークライフバランスを重視する人に適した働き方と言えるでしょう。

理学療法士の年収〜年代別〜

年代別の理学療法士の平均年収は以下のとおりです。

年齢層 平均月収 年間賞与等 推定年収
21〜24歳 25.1万円 36.7万円 388.4万円
25〜29歳 26.7万円 65.3万円 385.7万円
30〜34歳 28.7万円 77.1万円 422.4万円
35〜39歳 31.9万円 85.0万円 468.8万円
40〜44歳 33.6万円 84.9万円 488.8万円
45〜49歳 34.2万円 80.5万円 491.5万円
50〜54歳 33.3万円 78.5万円 479.2万円
55〜59歳 42.6万円 111.8万円 623.2万円
60〜64歳 34.6万円 122.8万円 538.2万円
65〜69歳 39.0万円 10.1万円 478.2万円
70歳〜 23.2万円 57.0万円 336.1万円

※参考:令和5年賃金構造基本統計調査

このデータを見ると、理学療法士は若手のうちは比較的高い給与水準にあることが分かります。

コア郎
コア郎
私自身も、初めての給料が手取りで約19万円でした。その時は、「こんなにもらえるんだ!」と感動した記憶があります。

新人であっても、半年から1年ほどで患者さんを一人で見られるようになれば、ベテランの先輩方と同程度の単位数を取得できるようになります。そのため、理学療法士は比較的早い段階から病院の収益に貢献できる職種と言えます。

しかし、一方で理学療法士の年収は、経験年数を重ねるにつれて伸び悩むというのも事実です。これは、診療報酬制度に上限があるため、個人の努力だけで年収を大幅に上げる方法が限られていることが原因です。

特に注目すべきは、50代半ばで年収が大きく上昇している点です。これは、多くの理学療法士がこの時期に役職や管理職に就くことで、給与が増加したためと考えられます。

しかし、理学療法士の数が飽和すると言われているこれからの時代においては、同じように昇進の機会を得て年収を上げられる人は限られてくる可能性が高いでしょう。

一般企業との年収比較

一般企業で働く男女の年収と比較していきます。

年齢 男性 女性 平均年収
20〜24歳 279万円 253万円 267万円
25〜29歳 429万円 353万円 394万円
30〜34歳 492万円 345万円 431万円
35〜39歳 556万円 336万円 466万円
40〜44歳 612万円 343万円 501万円
45〜49歳 653万円 343万円 521万円
50〜54歳 689万円 343万円 540万円
55〜59歳 712万円 330万円 545万円
60〜64歳 573万円 278万円 445万円
65〜69歳 456万円 222万円 354万円
70歳〜 368万円 197万円 293万円

出典:民間給与実態統計調査

一般企業男性は20〜30代にかけて急激に上昇しており50代でピークを迎えます。これは役職に就いたり、責任ある仕事を任されるなど昇進による役職手当の影響が大きいと考えられます。

女性は20代後半までは男性との年収差が比較的少ないですが、それ以降は大きく差が開いています。これは結婚・出産・子育てでキャリアの中断や時短勤務、非正規雇用となることが要因とされています。

理学療法士と一般企業を比較してみると、男性理学療法士の年収はやはり伸び悩んでいる傾向にあるといえます。理学療法士の給与体系では、経験年数に応じた昇給はあっても、大幅な給与アップは難しいのが現状です。

女性理学療法士の場合、一般企業で働く女性と比べると、比較的安定して収入を得られている傾向にあります。理学療法士は国家資格による専門性があるため、結婚、出産後もキャリアを継続しやすく、一定の収入を維持しやすいと考えられます。

リハビリ職の給料が上がらない理由

なぜ理学療法士の年収は伸び悩んでしまうのか、その主な原因を解説していきます。

診療報酬の制限

診療報酬は国によって定められているため、自由に設定したり変更する事はできません
近年、医療費の適正化という国の施策の下、点数の見直しが厳格に行われています。
このため、理学療法の診療報酬についても、特定の領域や算定方法において引き下げや制限される改訂が見られます。

診療できる人数、単位数に限界がある

理学療法士1人あたりが取得できる単位数は1日24単位、1週間で108単位までと定められています。上限を超えて診療報酬を請求する事はできません。

仮に上限が無かったとしても、物理的に1人が取得できる単位数には限界があります。
緻密に効率よくリハビリ診療を行う計画を立てていても、予期せぬ出来事で計画通りにいかないこともよくあります。

コア郎
コア郎
私が病棟でリハビリをしていた時は体調不良やお風呂の時間と重なってしまいリハビリが実施できないなんてことも多々ありました。

 

理学療法士としての独立開業権の制限

理学療法士は、医療行為として「理学療法」を単独で行う施設を開業することは、現行の日本の法律では認められていません。

これは、理学療法士法において、理学療法士が医師の指示に基づかずに理学療法を提供することを原則として認めていないためです。

医療保険が適用される「理学療法」は、医療機関(病院、診療所など)の一部として、医師の管理下で提供されることが前提となっています。

そのため、もし理学療法士が独立して事業を行いたいのであれば、医療保険が適用される「理学療法」とは異なる形態で開業する必要があります。例えば、自費のリハビリ施設やパーソナルトレーナー、整体院などで独立している理学療法士さんがいます。

年収を上げるための具体的な方法を解説

理学療法士の年収比較や給与が上がりにくい状況を解説してきました。
それでは、今の状況から給料を上げる方法は他にないのでしょうか。
給料を上げる方法を解説していきます。

昇進・出世

今働いている職場で昇進する方法です。
多くの施設ではリーダーや管理職へ昇進すると役職手当が付きます。
昇進するまでに時間はかかりますが、昇進できれば
確実に給料を増やせる方法です。

副業

隙間時間を使って副業に取り組むことで、年収を上げる方法です。
理学療法士は夜勤や休日出勤はほとんどなく、比較的隙間時間を作りやすい働き方です。
自分の好きなことやリハビリで得た経験を基に、副業にチャレンジしてみましょう。
副業の種類としてはWebライター、ブログ、せどりなどがおすすめです。

休日の時間を副業に充てる必要があるので、
休日はのんびり過ごしたいという人に向かないかもしれませんが、
興味がある人は、ぜひ1度チャレンジしてみてください。

転職

転職をして年収をアップさせる方法です。

今の会社よりも年収や待遇が良い会社が見つかるかもしれません。
転職活動を通じ自分の市場価値を確認してみる事をおすすめします。
転職活動は履歴書の作成や面接など、やらないといけない事が多く大変ですが、
希望企業を見つけることができれば待遇の改善キャリアアップの可能性は十分にあります。

失敗しない転職をするには正しい手順で進める必要があります。
正しい転職の方法がわからない人はぜひこの記事を読んでみてください。

【失敗しない】リハビリ職からの転職活動の始め方「リハビリの仕事は好きだけど、もう少し給料上がらないのかな?」 「医療業界を出て、給料水準の高い業界に行きたいな〜」 こんな...

独立・開業

自分で開業して年収をアップさせます。
前述した通り、理学療法士として独立・開業する事はできないため
マッサージやパーソナルトレーナー等として開業をする必要があります。
会社に属さず一人で事業を立ち上げるため、当然ですが開業資金の準備や顧客獲得のためのマーケティング、広告、営業等の経営全般を自分一人で行う必要があります。

これらは大きな負担となりますが、成功すれば、その分年収の天井も大幅に高くなります。開業にはリスクを伴いますが、年収アップと自身のキャリアの自由度を追求する上で魅力的な選択肢となるでしょう。

まとめ

理学療法士の年収について、色々と不安を抱える人も多いでしょう。現状を把握した上で対策を取ることができれば、抱えている不安はより小さくなるはずです。
今回お伝えした内容は以下のとおりです。

・理学療法士の生み出す売上は(基本的な診療報酬の点数×実施した診療単位数)+各加算で決まる。
・理学療法士の年収は入職直後は高い水準だが、その後伸び悩み、他職種に比べて開きがある傾向となる。
・理学療法士の年収が伸び悩む原因は、診療報酬の制限、取得単位数の制限、独立開業権がない。
・年収を上げる方法は昇進、副業、転職、独立開業。

少しでも年収を上げていきたい場合は、何かしらの行動を起こすことが必要です。
転職に興味のある人は、まずは転職サイトの登録から始めてみましょう。

それではまた次回、お会いしましょう!